FXチャートの時間軸とは?設定方法からトレードの手順まで解説

チャートの時間軸 トレードの基礎

FXでチャート分析を行う際に「どの時間軸を見ればよいのか分からない!」と悩んだことはありませんか?

デイトレードを行う際にはテクニカル分析が必要ですが、時間軸の設定を誤ると分析の精度が下がってしまいます。私も初心者の頃に悩まされたのですが、チャートの時間軸を適切に設定することで、この問題を解決できました。

今回は時間軸の設定方法と、MTF分析を用いたトレードの手順について解説を行います。

シルバー
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この記事では「レンジが適度に単純化される時間軸を設定する」ことが分析の精度を高める上で重要だと説明しています。勝率の高いトレードを行いたいと思う方は、読んでみてください!

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時間軸の概念について説明

トレードの期間と時間軸の関係

時間軸を下げる

一般的には、デイトレードやスイングトレードなど、トレードの期間ごとに使用する時間軸が決まっていると思われています。

つまり、デイトレードのようにホールドする期間の短いトレードであれば、5分足(短期足)を使うといった概念です。4時間足よりも5分足の方がより短期的な値動きを表しているため、デイトレードに適していると思いますよね。

実際に多くのトレード初級者が、時間軸を下げた方が、エントリーポイントが増えて利益を出しやすくなると考えてしまうのです。

シルバー
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私もデイトレードを始めたばかりの頃は、5分足のチャートばかり見ていました。今思えばこれこそが、利益を出せない最大の原因だったと思います。

チャートの期間と時間軸の関係

例えば、チャート上で一定の期間を設定して、短期足から長期足に向かって、順番に上昇トレンドを表示したとします。当然ながら、短期足のチャートではローソク足の本数が多く、長期足のチャートでは少なくなります。

上記のチャートを見ると、同一の期間における上昇トレンドを示しているのですが、かなり見え方が違いますよね。では、ローソク足の本数が少ないチャートと、多いチャートではどちらの方が容易に分析できるのでしょうか?

黒美ちゃん
黒美ちゃん

実は、ローソク足の本数が少ない長期足のチャートの方が、分析が簡単になります。これはチャートの5分足でローソク足12本分の値動きを予測するより、1時間足でローソク足1本分を当てる方が圧倒的に単純であるためです。

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時間軸の設定によってチャート分析の難易度が変わる

時間軸を下げると複雑になる

実際に時間軸を下げた状態のチャート(5分足)に対して、ラインを使って分析を行ってみましょう。

以下のチャートでは 、Tradingviewのリプレイモードを使用して、上昇トレンドが終了する直前までの期間を表示しています。

5分足のチャートでも全体が上昇トレンドであることは分かりますし、最高値の付近で三尊を形成しているため、一時的に下落していることも見て取れます。

さらに、トレンドの内部には複数のサポートラインが存在しており、直近のローソク足はチャネルセンターラインで反発し、陽線になっています。

この段階から今後のシナリオを予測する場合、私であれば「サポートラインが複数あるため、下落は一時的であり上昇継続の可能性が高い」と判断します。

しかし、実際にはこのポイントこそが「トレンドの転換点」であり、暴落の直前なのです。もしここでロングエントリーを行ってしまうと、間違いなく焼かれます。

ファースト<br>ペンギン
ファースト
ペンギン

なぜこのようなことが起きるのかというと、時間軸を下げた結果、チャートが複雑になり、分析の難易度が上がっているからです。

時間軸を上げると単純になる

では、時間軸を上げた状態のチャート(1時間足)に対して、同様の分析を行ってみます。1時間足のチャートではローソク足の本数が少ないため、終値の位置とヒゲの方向を明確に判断可能です。

チャネル上限のプライスアクションに注目すると、ローソク足の終値(実体)が一列に並んでおり、上ヒゲが付いていることから、売られていることが分かります。

さらに、5分足ではこの部分の直下に、複数のサポートラインが存在していたのですが、1時間足では確認でないため「下落した際には支えがない」ことが分かるのです。

この状態から今後のシナリオを予測する場合、私であれは「チャネル上限で売られており、サポートがないことから暴落する確率が高い」と判断します。

シルバー
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先ほど、5分足チャートで考えたシナリオとは真逆であり、こちらが正解なのです。この結果は、チャートが単純化されたことによって、ローソク足の終値やヒゲを認識しやすくなったからであり、時間軸を上げた方が分析の精度は向上すると言えます。

重要ポイント
  • 時間軸を下げるとローソク足の本数が増え、チャートが複雑化するため、分析が困難になる。
  • 時間軸を上げるとローソク足の本数が減り、チャートが単純化するため、分析が容易になる。
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時間軸の考え方

複雑なチャートではミスが発生する

チャート分析を行う際に最も重要なことは「いかにミスを減らすか」です。

しかし、短期足の複雑なチャートではミスを減らすこと自体が、とてつもなく困難だと言えます。なぜかというと、複雑なチャートはどのようにも解釈することができからです。

実際にポンドドルの5分足チャートでは、様々なシナリオを想定することが出来ます。

複数のシナリオを事前に考えておくことはとても大切です。しかしながら、どこかのタイミングでシナリオを1つに絞り込まなくては、トレードを行うことは出来ません。

黒美ちゃん
黒美ちゃん

つまり、短期足の複雑なチャートはどのようにも解釈できるので、長期足の単純なチャートを用いてシナリオを絞り込むのです。

適切な時間軸の設定方法

ここまで読んでくださった方は既に気が付いていると思います。

正確な分析を行う上で最も重要なことは「チャートが単純に見える時間軸を選択すること」なのです。

例えは、デイトレードを行う際には4時間足、2時間足、1時間足など比較的長めの時間軸がこれに該当します。時間軸の設定は毎回同じではなく、状況に応じて変化するため、一概にこの時間軸を見ればよいと断定できるものではありません。

ではどのような基準で時間軸を選択すればよいのでしょうか?

漠然とした表現になってしまうのですが、私自身は「レンジが適度に単純化される」ことを時間軸の選択基準にしています。

ファースト<br>ペンギン
ファースト
ペンギン

注意点は時間軸を下げすぎても、上げすぎても、いけないことです。そのため、実際のチャートで適切な時間軸を選択するには、過去検証を行うことが必要不可欠になります。

MTF分析を用いたデイトレードの手順について解説

時間軸の設定と上位足の選択

最後にMTF分析(マルチタイムフレーム分析)の手順を、先ほどのポンドドルのチャートを一例として、時間軸を設定するところから解説したいと思います。

まず第一に、長期足の確定時刻に合わせてチャートを見ます。1日は24時間しかありませんから、デイトレードにおける長期足とは8時間足や4時間足になります。

この時に8時間→4時間→2時間→1時間の順番でチャートを見て、レンジが単純化される時間軸を探すのです。

以下は4時間足の確定時に見た2時間足チャートです。チャート上にレンジはないのですが、ローソク足の本数が少なすぎて水平線(ロールリバーサルライン)の位置が分かりずらいため、適切な時間軸とは言えません。

次に1時間足チャートを見ると、複雑なレンジは認められず、トレンドの内部には明確な水平線が確認できます。このことから、1時間足が分析に最適な設定だと分かるため、上位足として選択します。

ただし、チャネル上限で上ヒゲを出して陽線が確定している局面であるため「上昇トレンドであるが値幅の上限に到達していてエントリーポイントではない」と判断できます。

念のため15分足も見ておくと、1時間足と同様に上昇トレンドであり、押し目がないためエントリーできないことが確認可能です。

シルバー
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この時点ではエントリーできない訳ですから、私であればシナリオを考えた上で、エントリーポイントが来るまで待つことを選択します。

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環境認識とシナリオ構築

では、どのようなパターンになればエントリーできるのでしょうか?

答えを知るには、上位足(1時間足)の環境認識を行い、今後のトレードシナリオを考えることが必要です。まずチャネル上限に到達し、上ヒゲを出しているポイントを高値と仮定して、レジスタンスラインを設定します。

次にトレンドの内部に確認できる明確な水平線(ロールリバーサルライン)をサポートラインとして、レジサポに挟まれた領域に値幅を設定します。

この状態で時間軸を下げて15分足を表示し、レジスタンスラインをブレイクして上昇したシナリオと、ブレイクできずに下落したシナリオを考えます。

ちなみにレンジのシナリオも存在しますが、サポートラインまで下落する点で下降のシナリオと同じです。

黒美ちゃん
黒美ちゃん

上昇と下降の2つのシナリオを構築した後は、これらと似たパターンが出現するまでひたすら待ち続けます。時間がかかるので、のんびりしていて大丈夫です。

エントリーから利益確定

今回は1時間足を上位足に設定しているので、次のロウソク足が確定するのは1時間後です。

リプレイモードの時間を進めて、上位足と下位足を確認すると以下のような状況になっていました。

上位足が、陽線から上ヒゲ陰線に切り替わっていることから上値を抑えられている」と判断可能です。

さらに下位足でも、一度レジスタンスをブレイクしていますが、その後サポートされずに下落しています。これらのことから、上昇から下降へのトレンド転換が起きており「下降のシナリオ」に該当することが分かるのです。

シナリオを絞り込むことが出来たため、ロールリバーサルが成立したポイントからショートを行います。

ショートポジションを取った後は、直下のサポートラインに利確の指値(TP)を設定し、利益が出るまで待ちます。

リプレイモードを進めると無事、サポートラインの直上で利確となりました。

実際のトレードでも上記のように下位足を使いますが、上位足でシナリオを絞り込んだ後に、エントリータイミングを計っているのです。シナリオが分からない状況で下位足を見ることは全くの無意味なので、この点に注意してトレードを行ってください。

今回の記事では、時間軸の設定方法から、MTF分析を用いたトレードの手順まで解説しました。是非、精度の高いチャート分析が出来るように練習してみてください!

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最近Xを始めました!上位足と下位足の設定や、過去のエントリーポイントについて投稿しているので、フォローしてもらえると嬉しいです。

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