一生懸命トレードしているのに、思ったように結果が出なくて悩んでいませんか?
実際のところ、FXで利益を出し続けられるトレーダーはほんの一握りだと言われています。以前の私がそうであったように、大半の人は見通しが甘い状態で取引を行い、損失を出してしまうのです。
しかし、トレードシナリオをしっかりと考えれば、想定外の状況を減らすことができます。
この記事では、私が実際に行っているシナリオ構築ついて解説するので、バイアスに惑わされずにトレードする方法を学んでいただければ嬉しいです。

今回のブログ記事では、上位足の値幅(水平線)を基準として、上昇、下降、レンジを考慮したシナリオを想定することが重要だと結論付けています。柔軟性の高いトレードを行う上で、大切な内容になっていますので是非、読んでみてください!
トレードのシナリオとは何なのか?

FXのトレードにおけるシナリオとは、チャート上で考えられる、値動きのパターンのことです。
一見ランダムに動いているように見える相場にも、一定の条件下では、高確率で認められる値動きのパターンが存在しているのです。

ペンギン
トレードにおいて未来を予言することは不可能ですが、事前にシナリオを複数考えておき、確率の高いシナリオに絞り込んでから、エントリーすることは可能です。
トレードにおいて初級者と上級者の決定的な違いは「シナリオの精度の高さ」だと私は考えています。なぜかというと、シナリオというものはトレーダー自身が多くの値動きを想定した上で可能性の高いものを選択する必要があり、これには数1000回に及ぶ検証(バックテスト)が必要になるためです。
トレードを始めたばかりで検証を行ったことのない人は、単純なシナリオを1つしか考えることができません。それに対してプロトレーダーは多数のシナリオの中から1つを選択できます。
どちらも1つのシナリオですが、意味が全く違うのです。
シナリオとは値動きのパターンのことであり、複数考えた中から1つを選択するべきである。
トレードにシナリオが必要な理由
バイアスを排除する

トレードシナリオを作ることのメリットは、感情やバイアス(先入観)を排除できることです。
特にバイアスに関しては、個人の性格とはあまり関係がなく、人間である以上は必ず存在しており非常に厄介です。
- ニュースで経済が好調だから、これからも上がるに違いない。
- SNSで多数のインフルエンサーが上昇を予想しているから、自分もロングしよう。
- 上位足のチャートを見たら明確な上昇トレンドだから、転換シグナルが認められるまでは上がるだろう。

自分がシナリオを考える前の段階で「こうなるだろう」と決めつけていることは全てバイアスに該当すると私は考えています。 どんなに経験を積んだトレーダーであっても、バイアスから逃れることはできず、むしろ経験に基づいて考えてしまうからこそバイアスに陥りやすいのです。
私の場合、4時間足のチャートを見て上昇トレンドを確認したら、その瞬間に「上位足の方向が上なら押し目買いをしよう!」と考えます。
しかし、冷静になって4時間足よりもさらに上位の日足を見たら「明確なレジスタンスラインの直下であり暴落の直前だった」ということが、実際によくあるのです。

だからこそ、バイアスを排除して相場を客観的に見るために、最初に自分が決めつけたものとは逆のシナリオをあえて考えるのです。
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自分のトレードスタイルに当てはまるか判断できる
ホールドの期間やポジションの方向によってトレードには様々なスタイルがあります。
- ホールド期間による違い:スキャルピング、デイトレード、スイングトレード
- ポジションの方向による違い:押し目買い、戻り売り、トレンドに順張り、レンジに逆張り
事前にシナリオを立てることで、自分のトレードスタイルに合った場面でのみ取引することが可能になります。
例えば、レンジ相場が得意なトレーダーであれば、レンジが継続している期間中に取引が行えますし、逆にトレンド相場を得意とするトレーダーは、レンジが終わりトレンドが発生する局面で取引が可能になるのです。

シナリオを考えることによって、相場環境の取捨選択ができるため、無理なエントリーを少なくして、より効果的なトレードが可能になります。
無駄なエントリーをなくすには、複数のシナリオを考えた上で、自分のトレードスタイルに合致するものを1つ選択する必要がある。
待つことでエントリーポイントの厳選ができる
シナリオを事前に立てることで、リスクリワードの良いエントリーポイントを厳選できるという大きなメリットがあります。
チャート上には、リスクに対してリワードが高いエントリーポイントは、ごく僅かしか存在しておらず、適切にタイミングを計ってエントリーしなくては継続して利益を出すことはできません。
つまり、複数のシナリオを考えた上で、エントリーのタイミングが来るまでは「待つ」必要があるのです。


ペンギン
シナリオを考えずに感情やバイアスに惑わされている人は「待つ」ことができずに無謀なトレードを行ってしまうのです。
シナリオをしっかり考えることで「ただやみくもにエントリーする」から「計画的に良いタイミングを待ってからエントリーする」に変えることができます。
エントリーポイントを厳選し、適切なタイミングまで「待つ」ためには、シナリオ構築が必要である。
トレードシナリオの考え方
トレードシナリオを考える上で大切なことは、しっかりとした分析手法を持つことです。もし、何の根拠もなくシナリオを立てた場合、それはただの願望にすぎません。相場を正確に予測するには、信頼性のある分析方法を使って、値動きのパターンを考えることが必要です。
特にシナリオが無限に考えられてしまうような分析方法は信頼性が高いとは言えません。
私が主に使用している分析方法は以下の3つであり、チャートの値幅を見ることに特化しています。
- 水平線(水平方向の値幅):レジサポラインを用いて、価格が反転やブレイクアウトを起こしやすいポイントを特定します。これにより、水平線の付近ではシナリオを2つに絞り込むことができます。
- 平行チャネル(斜め方向の値幅):水平線と同様の使い方であり、トレンドライン・センターライン・チャネルラインの3つを用いて、価格の反転やブレイクアウトを確認します。
- ダウ理論:値幅の内部でどのようなトレンドが発生するのか予測できます。ダウ理論を用いることで上昇トレンド、下降トレンド、レンジの3つにシナリオを絞り込めるのです。


これらの分析方法を組み合わせて使うことで、精度の高いシナリオを立てることができます。
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上位足から順番にシナリオを考える

先ほど「シナリオを複数考えた上で1つを選択するべきだ」と説明しました。これを実現するには、マルチタイムフレーム分析(MTF分析)を使用することが必要になります。
MTF分析では上位足(長期足)から下位足(短期足)に向かって順番にチャート分析を行いながらシナリオを考えていきます。
この時に重要なのが、上位足のシナリオを優先した上で、下位足のシナリオを考えることです。
例えば、日足のチャートで上昇のシナリオが考えられる場合、4時間足でレンジや下降のシナリオが存在したとしても、いずれは上昇する可能性が高いと判断します。
シナリオ構築の際にはマルチタイムフレーム分析を使用するため、下位足よりも上位足の分析結果を優先する。
シナリオを考える際の手順
FXのデイトレードを裁量取引で行う場合は、日足・4時間足・1時間足を上位足に設定し、30分足・15分足・5分足を下位足とするのが良いと思います。
以下にシナリオを構築する際の手順を時系列で記載しましたので、参考にしてみてください。
- STEP1日足のシナリオを作る
先に値幅を確認し、次に値動きのパターンを考える。
- STEP24時間足のシナリオを作る
先に値幅を確認し、次に日足のシナリオを考慮した上で、値動きのパターンを考える。
- STEP31時間足のシナリオを作る
先に値幅を確認し、次に4時間足のシナリオを考慮した上で、値動きのパターンを考える。
- STEP4上位足のシナリオが絞り込まれるまで待つ
1時間足(4時間足)のシナリオが確定したら下位足でタイミングを計る。
- STEP530分足のシナリオを作る
先に値幅を確認し、次に値動きのパターンを考える。
- STEP615分足のシナリオを作る
先に値幅を確認し、次に30分足のシナリオを考慮した上で、値動きのパターンを考える。
- STEP75分足のシナリオを作る(エントリーできない時のみ)
先に値幅を確認し、次に15分足のシナリオを考慮した上で、値動きのパターンを考える。
- STEP8下位足の中から1つを選択しエントリーする
リスクリワードが最も良くなる時間軸でエントリーする。
非常に複雑なことをしているように見えるかもしれませんが、レジサポラインでの反転やブレイクアウトに基づいて、トレンドが継続するのか否かを判断するだけです。
さらに、30分足と15分足など近接する時間軸のシナリオは同じになることが多いので、慣れてしまえばシンプルになると思います。
5分足のシナリオに関しては、30分足や15分足でエントリーできない時のみ考えます。

構築の初期段階で複数のシナリオが存在しており、どれになるのか分からない時がありますが、値動きが進むにつれて1つに絞り込まれます。
TradingViewを使用してデイトレードのシナリオ構築を実践
上位足のシナリオを考える
それでは、私が愛用しているチャートツール、TradingViewを使用してシナリオ構築を実践してみたいと思います。
最初のステップでは、日足チャートの値幅を特定し、値幅の内部でどのような値動きのパターンがあるのか考えます。以下のチャートでは価格と時間か交差するポイントでロウソク足が下ヒゲを出して確定しており、一旦は反発することが予測できます。上昇とレンジのシナリオが考えられますが、直上のレジスタンスラインまで上がるという点では、同じシナリオです。

次に時間軸を下げて4時間足のチャートを見ると、直上のレジスタンスライン(エクスパンション1.272)に上値を抑えられている局面でした。レジスタンスラインをブレイクすれば、上昇のシナリオになりますし、ブレイクできなければレンジか下降のシナリオになることが考えられます。

ただし、日足チャートが上昇のシナリオであることを考慮すると、4時間足でも上昇の可能性が高いと予測できるのです。さらに、1時間足のチャートは4時間足とほとんど同じ状況であり、シナリオも同じになりました。
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上位足のシナリオが絞り込まれるまで待つ
デイトレードを行う場合は、下位足でタイミングを計るため、エントリーする時間軸に近い上位足(今回は1時間足)のシナリオが決定するまで待ちます。

1時間足が確定した後にチャートを見ると、レジスタンスラインがブレイクされた後に支えられており、この時点で下降やレンジは否定され、上昇のシナリオに絞り込むことができます。
下位足のシナリオを考える
最後に下位足のチャートでもシナリオを考えるのですが、今回の場合は上位足のチャートでブレイクアウトが起きているため、既に下位足でもトリガールールが満たされている可能性が高いです。

ペンギン
確率の高いシナリオとして、ダブルボトム、逆三尊、レンジなどを形成してから上昇することが挙げられます。
実際に下位足のチャートを順番に見ていくと、30分足がサポートライン(エクスパンション2.272)とチャネルセンターラインが交差するポイントで下ヒゲを出して確定しており、15分足で2回目のボトムが認められました。


下位足の中から1つを選択してエントリーする
ボトムが2回確認できた15分足をエントリーの時間軸として選択し、ダブルボトムの完成を見込んでロングします。

デイトレードを行う場合は、エントリーの後に価格が直上のレジスタンスラインに到達したら、すぐに利確することをお勧めします。

今回の記事ではデイトレードにおける実践的なシナリオの考え方について解説させていただきました。是非とも精度の高いトレードシナリオを作れるように練習してみてください!
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