FXのトレードで水平線を基準にエントリーしたら、含み損の状態が長時間続いたことはありませんか?
デイトレードは非常に難しいく、エントリーポイントが少しズレただけでも、上手くいかないのです。私も過去には同じ悩みを抱えていましたが、チャネルライン(平行チャネル)を使用することでこの悩みを解決できました。
今回は、FXのデイトレードにおける、チャネルラインの引き方から、平行チャネルを使用したトレード手法について解説します。

この記事では、エントリーポイントを選定する際にチャネルラインが重要であることを説明しています。実際のトレードで役立つ内容になっていますので、是非お読みください!
FXのチャネルラインとは
チャネルの考え方

チャネルラインとは、チャート上で2つの安値(高値)を結んだトレンドラインを、平行に移動させて描画したラインのことです。
平行チャネルはトレンドライン・センターライン・チャネルラインの3本線から構成されているため、波動に対してチャネルを当てると、斜め方向の値幅を確認できます。

上昇波に対して平行チャネルを当てた場合、トレンドライン(チャネル下限)の上では価格が割安であることを示しています。さらに、チャネルライン(チャネル上限)の下では価格が割高であると考えることができます。


チャート上に水平と斜めの値幅がある場合、水平方向を優先してトレードします。詳しい考え方については以前の記事「FXチャートの値幅について」で解説しているので参考にしてみてください!
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チャネルラインを引く理由
チャネルラインを引く理由は、エントリーポイントを選定する際に必要だからです。
トレードを行う際には水平線(水平方向の値幅)を基準にして、エントリーやエグジットを行います。しかし水平線だけでは「いつ値が動くのか?」という時間的な要素が分からないため、斜めの線と併用することが必要なのです。

つまり、水平線(価格)と斜めの線(時間)が交差するポイントを選定できれば、値が動く直前にエントリーすることが可能になります。


ペンギン
価格と時間が交差するポイントでエントリーしないとリスクリワード1:1以上を実現することが出来ません。詳しくは以前の記事「リスクリワードの設定方法」で解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください!
チャネルラインの正しい引き方
平行チャネルの設定には高値と安値が3つ必要
チャネルラインを引くには、先に平行チャネルを設定します。
チャート上に平行チャネル(上昇チャネル)を設置するには、高値と安値が最低でも3つ必要になりますが、3つ目の安値をどの段階で判断するかが重要です。
判断基準としてダウ理論で定義されている上昇トレンドが確認された後にチャネルを設置したほうが信頼性が高くなります。

安値の切り上げと高値の更新を確認したら、先に2つの安値にトレンドラインを当て、次にチャネルラインを平行に移動させて、高値に合わせます。

- 上昇チャネルは安値の切り上げと高値の更新を確認した後に設定する。
- 下降チャネルは高値の切り下げと安値の更新を確認した後に設定する。
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センターラインが機能していることを確認する
チャネルラインの精度を高める上で重要なことは、センターラインに注目することです。
平行チャネルの設置時に、センターラインが機能している波動を選択することで信頼性を高めることができます。逆にセンターラインが機能していないチャネルは信頼性が低く、実際のトレードでは使い物になりません。

センターラインは値幅の中央に位置しているラインですから、この付近では売り圧と買い圧が拮抗しやすく、ロールリバーサルラインになりやすいのです。そのため、センターラインか機能しないのであれば、値幅自体に信頼性がないと考えることができます。

トレンドラインを単独で使うより、チャネルの方が高い精度を発揮しますよね。これはセンターラインがあるおかげなのです!
緩やかな角度で引くと良い
実際の相場において、急激なトレンドは長続きしません。チャネルラインも同様であり、急な角度で引いてしまうと機能しづらくなります。

平行チャネルを使う際は、緩やかな角度で設置した方が、長期にわたって機能するチャネルラインとなります。

緩やかな角度のチャネルを上下に重ねて値幅を見る使い方もあります。この方法は上位足で環境認識を行う際に重要です。詳しくは別の記事で解説しているので参考にしてみてください!
ローソク足の実体とヒゲのどちらに引くのか?
チャネルラインを引く際に、ローソク足の「実体」に合わせるのか、それとも「ヒゲ」に合わせるのかは明確な答えがなく、迷うポイントです。実体が表す終値は多くのトレーダーにとって重要な価格ですが、ヒゲも無視できません。
個人的な意見になりますが、私自身は斜め方向の値幅を見るためにチャネルを使っているので、ヒゲに合わせて引くことが多いです。


ペンギン
だだし、チャート全体を見たときに、ヒゲよりも実体に当てたほうが美しく見える場合は、実体に合わせることもあります。
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チャネルラインの欠点について
角度が少しズレただけで機能しない
チャネルラインの欠点として、角度が僅かにズレただけでも機能しないことが挙げられます。
平行チャネルは水平線のように角度が固定されている訳ではなく、自分で設定しなくてはいけません。そのため、チャネルラインを使いこなすには検証(バックテスト)が必要です。
トレード初級者の方によくありがちなのが、直近の高値や安値に合わせて、チャネルの角度を設定していることです。高値や安値が確定する前段階で角度を設定しても信頼性が低く、使い物になりません。



上記のような間違った使い方を減らすためにも、検証の実施をお勧めします。バックテストの方法に関しては以前の記事「過去検証のやり方」で解説しているので参考にしてみてください!
レンジ相場には対応できない

チャネルラインを使用した手法は、下位足でトレンドに乗ることを目的にしています。
そのため、トレードに使用する時間軸にレンジが出現してしまうと、手法として使うことができません。以下に示すような方向感のないレンジ相場では、損失を被る可能性が高いので、避けるべきです。


ペンギン
チャネルラインを使いこなすには、環境認識によってレンジを事前に想定しておき、レンジが終わるまで待つ必要があります。
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3波の始点からエントリーできない
エリオット波動の推進波では、3つ目の波動が最も継続しやすいとされています。
単独で平行チャネルを使う場合、設置できるのは3つ目の安値が確定した後であるため、この時点で3波に乗り遅れているのです。

3波の始点からエントリーするには、MTF分析を行った上で、複数のチャネルや水平線と併用しなくてはならず、分析の難易度が上がってしまいます。

3波の始点はトレンド転換の初動に該当するポイントです。トレンド転換の見極め方については以前の記事「ダウ理論の応用」で解説しているので、詳しく知りたい方は読んでみてください!
利確の目標にはあまりならない
ネット検索を行うと、下位足のチャネルラインを利確目標にしているトレード手法がよく見つかります。
しかし、以下に示すように、為替の相場では斜め方向の値幅より水平方向の値幅が意識されやすいのです。

そのため、FXのトレードではほとんどの場合、上位足で意識されている水平線(水平方向の値幅上限)が利確の目標になります。上位足のチャートが水平線を基準に動いている以上、下位足のチャネルラインを利確目標として使える場面は限定的です。

実際の相場でチャネルラインを利確目標にできるのは、上位足のレジスタンスラインまで余裕があり、下位足の波動が3波に該当する場合のみです。
チャネルラインの実践的な使い方
水平線と組み合わせる
ロールリバーサルラインとの併用
為替の相場で最も意識されているのは価格であるため、チャネルラインを使う際には、水平線と組み合わせます。ただし、水平線には引き間違いの心配もあるため、最も分かりやすく優位性の高いロールリバーサルラインと併用するのがお勧めです。


チャネルラインのような斜めの線は時間を表しており、価格ほどは意識されません。デイトレードを行う際には水平線を優先し、チャネルラインは補助として使ったほうが良いです。
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フィボナッチエクスパンションとの組み合わせ
フィボナッチエクスパンションとは、テクニカル分析で使用されるツールの1つであり、トレンドがどこまで拡大するかを見る際に使用します。最大の特徴は、フィボナッチ数列に基づいた間隔で水平線が配置されていることであり、値幅が事前に設定されているのです。
チャート上でフィボナッチエクスパンションの値幅がきれいに当てはまる波動を探して、そこに設置すれば、複数本の水平線が引かれた状態をつくることができます。水平線を1本ずつ引くより効率的ですし、引き間違いの心配が減るので実用的です。

平行チャネルとフィボナッチエクスパンションを併用することで、価格と時間が交差するポイントでエントリーし、直上のレジスタンスラインで利確が可能になります。

- 水平線(価格)と斜めの線(時間)を組み合わせることで、エントリーポイントの選定が可能になる。
- チャート上に明確な水平線がない場合は、フィボナッチエクスパンションを代用として使うとよい。
ダウ理論と組み合わせる
トレンド継続時
数ある分析方法の中でも、相場のトレンドを把握するのに最も適しているのはダウ理論です。
相場が上昇トレンドなのか、下降トレンドなのか分かれば、トレンドの方向に合わせてチャネルと水平線を使えばよいのです。トレンドの継続が想定される場合の使い方は以下のようになります。
- チャネル下限とサポートラインが交差するポイントからロングする。
- チャネル下限とロールリバーサルラインが交差するポイントからロングする。

- チャネル上限とレジスタンスラインが交差するポイントからショートする。
- チャネル上限とロールリバーサルラインが交差するポイントからショートする。

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トレンド転換時
下位足のチャートでトレンド転換を判断する際にもチャネルと水平線の組み合わせは活躍します。
下降から上昇への転換時には、下降チャネルの上限がブレイクされた後に、ロールリバーサルが成立したポイントからロングします。

上昇から下降への転換時には、上昇チャネルの下限がブレイクされた後に、ロールリバーサルが成立したポイントからショートします。


トレンド転換時のトレードでは上位足の環境認識がとても重要です。特に利幅が確保できるのか事前に確認しておかないと、踏み上げや投げ売りに遭います。
マルチタイムフレーム分析で使う
環境認識を行う時に重要なのが、マルチタイムフレーム(MTF)分析です。
上位足の波動に対して平行チャネルを合わせれば、斜め方向の値幅を把握することができます。チャネルラインの引き方は下位足の時と同じですが、上位足の値幅が優先される点が異なります。




ペンギン
下位足では上昇継続のように見えたとしても、上位足が値幅の上限に達している場合、押し目買いをしてはいけません。この場合は、上位足のプライスアクションを見てブレイクアウトなのか、反転なのかを判断し、その後に下位足で方向を判断します。
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平行チャネルを用いた押し目買いの手法を紹介
エントリーポイントの決め方
最後に平行チャネルを使用したトレード手法を紹介させていただきます。
この手法は上位足の値幅上限まで余裕があり、下位足で上昇トレンドの継続が想定される場合に使用可能です。
エントリーする際は、価格と時間が交差するポイントまで引き付ける必要があります。
平行チャネルにはトレンドライン・センターライン・チャネルラインがあるため、エントリーポイントにも3つのパターンがあるのです。




価格と時間が交差するポイント以外でエントリーすることはありません。そのため、エントリーのパターンが来るまでは待つ必要があります。
利確と損切りの設定について
利確の設定に関しては、上位足で意識されている水平方向の値幅を基準にして決めます。
そのため、利確ポイントを判断するには環境認識を含めたバックテストが必要であり、一概に「ここで利確する」と断定できるものではありません。
今回のチャートでは30分足(下位足)で上昇トレンドが確認できるので、4時間足(上位足)の値幅上限に利確を設定しています。

損切りの設定に関しては、下位足で意識されている水平方向の値幅を基準にして決めます。
値幅の下限やエントリー時の安値に損切りを設定するとストップ狩りに遭うことが多いです。エントリー時の安値とは別の安値にストップロスを設定することで、これを防止できます。
損切りの考え方については以前の記事「損切りできない!理由と対策について」で解説しているので詳しく知りたい方は読んでみてください。

今回の記事ではチャネルラインの使い方から、チャネルを用いたトレード手法まで解説させていただきました。実際の相場で手法を使いこなすのはとても難しいため、必ず検証を行った上で実践してください。
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