FXのデイトレードでリスクを限定させたいが、どうしたらよいか分からず悩んでいませんか?リスクを限定し、安定して利益を出せているトレーダーは全体の1割程度だと言われています。
多くのトレーダーが苦しむ理由のひとつが、リスクリワードの設定ミスです。私もトレードを始めた当初は同じ悩みを抱えていましたが、適切にリスクリワードを設定することで、利益を継続して得られるようになりました。
この記事では、FXのデイトレードにおける理想的なリスクリワードの設定方法を解説し、成功するための第一歩をサポートします。
今回のブログ記事では、リスクリワードを適切に設定するには、時間の要素に着目することが重要だと結論付けています。デイトレードのリスクを限定させる上で役に立つ内容になっていますので、是非とも読んでみてください!
一般論で語られるリスクリワード
リスクリワードの考え方
リスクリワードとは、「リスク(損失)」と「リワード(利益)」のバランスを示す指標です。リスクリワードを適切に設定することによって、損失を最小限に抑えつつ利益を最大化することができます。
例えば、リスクリワードが1:2であれば、1のリスクに対して2倍のリワードを目指す設定を意味します。このようにリスクリワードを設定することで、必ずしも全ての取引を成功させる必要はなく、継続的に利益を出すことが可能になるのです。
リスクリワード比率の計算式
トレードを行う際に、利確ポイントと損切りポイントを事前に設定してエントリーした場合、以下のような計算式でリスクリワード比率を求めることができます。
リスクリワード比 =(利確ポイント - エントリーポイント)÷(エントリーポイント - 損切りポイント)
例えば、ドル円のチャートで以下のようなトレードを行ったとしましょう。
- 利確ポイント(テイクプロフィット):104(4円のリワード)
- エントリーポイント:100円
- 損切りポイント(ストップロス):98円(2円のリスク)
この場合、リスクリワード比は次のように計算されます。
リスクリワード比 =(104 - 100)÷(100 - 98)= 4 ÷ 2 = 2
つまり、この取引ではリスクリワード比が2であるため、1のリスクを取る代わりに、2のリワードを狙うことができるのです。
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デイトレードにおける重要性
リスクリワードは、FXのデイトレードにおいて非常に重要な役割を果たします。
相場は不確実なものであり、どんなに優秀なトレーダーであっても勝率を100%にすることはできません。勝率が100%にならないということは、必ず損切りの必要な局面が存在するのです。
例え勝率が90%あったとしても、損切りができなければたった1回負けただけで、全資金を失ってしまうという恐ろしいことが実際に起きてしまいます。
だからこそ、リスクリワードを適切に設定し、損失を最小限に抑えつつ利益を確保することが、長期的な成功に繋がるのです。
- FXのデイトレードにおいて、勝率が80%以上あることは、さほど珍しくはない。
- 長期的に継続して利益を得るには勝率の高さに加えて、リスクリワードの良いことが求められる。
理想とされるリスクリワードとは?
教科書などに記載されている一般論では、リスクリワードが1:2以上あることを推奨しています。
なぜこのような値が推奨されているのかというと、リスクリワードが1:2以上あれば、勝率が50%未満でもトータルで利益を残せることになり、勝率が極端に低くならない限り、損失は出にくいからです。
しかし、現実的に物事を考えてみると「勝率の低いトレード初級者の方に、リスクリワード1:2以上のエントリーポイントを見つける技術があるのか?」という疑問が浮上してくるのです。そもそもデイトレードというものはエントリーする前にテクニカル分析を行って、根拠のあるポイントに利確と損切りを設定します。
チャート上で利確や損切りを置けるポイントは限られており、設置場所に制約がある以上、実現可能なリスクリワードにも限度があるのです。さらに、環境認識を行った結果、値幅の中間水準などリスクリワードが悪いと判断すれば、エントリーを見送ることにもなります。
結局のところ、リスクリワードの良いエントリーポイントを頻繁に見つけられるトレーダーは、分析のレベルも非常に高く、おのずと勝率も高いのです。
私の個人的な意見になりますが、デイトレードを始めたばかりで分析のレベルがまだ低い人に対して、リスクリワード1:2以上を求めることには、かなり無理があると思います。
一般論で語られている、リスクリワード1:2以上という数値は「理想」であり、現実とは乖離していると言わざるを得ません。
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リスクリワードと勝率は反比例の関係にある
リスクリワードと勝率は一般的に反比例の関係にあると言われています。
これは、リスクリワードを高く設定しすぎると、下記のような問題が発生しやすくなるからです。
- エントリーポイントから利確ポイントが離れてしまうため、目標価格に到達するまでの難易度が高くなる。
- エントリーポイントに損切りポイントが近づくため、ストップ狩り(逆指値狩り)にあいやすくなる。
つまり、リスクリワードが高いと勝率が下がり、リスクリワードが低いと勝率が上がる傾向があります。
FXのデイトレードで継続的に利益を出すということは、この反比例の法則から脱却し、上記のグラフで示す損益がプラスのエリアに入らないといけません。これは決して簡単なことではなく、様々な理論を学習し、多くの手法を検証しなくては達成できないと思います。
デイトレードではリスクリワードと勝率のバランスが重要
FXではリスクリワードが高いほど良いわけではなく、勝率とのバランスが重要です。
私自身、日々のデイトレードにおいて、リスクリワードと勝率の両方を維持できるように努力していますし、どちらか一方に固執するのではなく、バランスよく両立するという考え方です。
トレード初級者の方であれば、まずはリスクリワード1:1以上、勝率50%以上のトレードを継続して行えるよう練習するのが良いと思います。
リスクリワードと勝率のバランスを保った状態で損益分岐点に到達できたのであれば、次はリスクリワード1:1.1以上、勝率60%以上のように目標を上げていくのです。
デイトレードのトータルで損益プラスを実現するには、リスクリワードと勝率の両方をバランスよく高めていく必要がある。
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分析手法が確立されていないと使いこなせない
なぜリスクリワードには意味がないと言われるのか?
リスクリワードの重要性が強調される一方で「リスクリワードには意味がない」と言われることがよくあります。
なぜこのような意見が存在するのかというと、リスクリワードという考え方は、分析手法が確立されていることを前提としているからです。
ペンギン
つまり、分析手法が確立されておらず、チャートを読めない人にとって、リスクリワードは本当に意味のないものだと言えます。
実際にチャート上でリスクリワードを設定しようとすると、どんなにシンプルに考えたとしても2本の水平線から構成される値幅が必要になります。しかしながら、たった2本の水平線を引くだけでも様々な難関が存在しており、ほとんどの人は水平線を使いこなすことができません。
リスクリワードは、確立された分析手法に基づいて設定されるべきであり、不完全な方法で設定されると、どれほど優れた値であっても信頼性が低く、実用性がないのです。
トレード初級者の方であれば、まずは自身の分析手法を確実なものにできるよう検証(バックテスト)を行うのが良いでしょう。
リスクリワードだけでは勝てない
ここまで読んでくれた方は既にお気づきだと思いますが、リスクリワードの設定だけで利益を出すことは不可能であり、下記のような理由が挙げられます。
- いかに優れたリスクリワードであったとしても、その取引が成功する確率(勝率)が高くないとトータルで利益を残せないため。
- 勝率を高めるにはテクニカル分析の精度を上げる必要があり、これは知識を習得して検証を行わないと実現できないため。
つまり、リスクリワードはあくまでリスクとリワードのバランスを示すものであり、エントリーポイントを選定する際の補助に過ぎないということです。
ペンギン
リスクリワードだけにとらわれて、チャートのトレンドやレジサポラインを無視してしまうと、成功から遠のいてしまいます。
根拠のあるポイントに基づいて設定することが重要
リスクリワードは、明確な根拠のあるポイントに基づいて、設定されるべきです。
根拠とは、チャート上のサポートラインやレジスタンスライン、トレンドや波動、上位足と下位足の方向など、テクニカル分析を行った結果として見えてくるものです。
例えば、上昇トレンド継続中に価格が下落して、サポートラインに到達し、上位足が下ヒゲを出して確定したとします。サポートラインで価格が反発すると予測したためロングでエントリーし、直上のレジスタンスラインに到達した段階で値が止まったため利確しました。
このトレードにおける、エントリーとエグジットの根拠は下記のようになります。
- エントリーポイントの根拠:上昇トレンドの継続中なので、サポートラインで反発する。
- 利確ポイントの根拠:反発後は次のレジスタンスラインまで上昇し、上値を抑えられる。
- 損切りポイントの根拠:反発せずにサポートラインのブレイクが確認された。
これらのうち、損切りに関してはエントリーの根拠が否定されたと判断できるポイントに設定することになります。
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デイトレードにおけるリスクリワード
リスクリワードが良く勝率も高いポイントは僅かしかない
デイトレードとは、1日のうちに複数回の取引を行い、回数を重ねることによって利益を積み増すスタイルです。
リスクリワードが良く勝率も高いトレードを連続して行うことができれば、短期間で莫大な利益を出すことができ、これがデイトレードを行う最大のメリットです。
しかし、実際のチャートでは一般論で推奨されているリスクリワード1:2以上を実現しつつ、勝率も高く維持できるような都合の良いエントリーポイントはごく僅かしかありません。
なぜかというと、チャートでは水平方向の値幅が意識されやすく、必ずしも斜め方向の値幅上限まで値が動くとは限らないからです。
斜め方向の値幅を優先して、エントリーポイントの数が減ってしまうと、デイトレードのメリットを生かすことができず、スイングトレードのようにホールド期間の長いスタイルが有利になってしまいます。
つまり、デイトレードには一定数のエントリーポイントを確保しつつ、リスクリワードと勝率の高さを両立できるような、絶妙な設定が必要です。
現実的なリスクリワードとはどの程度なのか?
ここからは私のかなり主観的な意見になりますが、勝率が50%以上あることを前提とした場合、リスクリワード1:1から良くても1:1.8程度がデイトレードで現実的な範囲だと感じています。
日々のトレードでリスクリワード1:2以上の取引はほとんどなく、少なくとも私には、リスクリワードの良いポイントを頻繁に見つけることはできないのです。
ただし、トレーダーによって分析手法が異なることや、スキャルピングやスイングトレードなどスタイルも違うことを考慮すると一概には言えないと思います。
ペンギン
結局のところ、自身で試行錯誤を繰り返して、自分に合ったリスクリワードの設定値を見つけるしかないのかもしれません。
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リワードは値幅によって決まっている
リワードと値幅の関係について
リワードは、エントリーした後に何が利益確定の基準として意識されやすいか分かれば、適切に設定できます。
テクニカル分析を使用するトレーダーであれば、チャートに描画された水平線やトレンドラインを基準にして取引を行います。移動平均線やボリンジャーバンドなどのインジケーターを見ているトレーダーも多いのかもしれません。
これらのうち、水平線以外は全て斜め方向の線であり、この2つには明確な違いがあります。
- 斜めの線(時間):テクニカル分析を行う投資家しか意識することができない。
- 水平線(価格):テクニカル分析を行わず、ファンダメンタルズ分析を用いる投資家にも意識される。
つまり、時間よりも価格のほうがより多くの投資家(機関投資家)に意識されやすく、利確の水準も価格を基準に決めるべきです。
意識されている価格が2つあれば、水平線を2本引くことができ、値幅をつくることができます。この値幅がトレードを行う際のリワードになるのです。
- 水平線(価格)はより多くの投資家に意識されるため、利確の基準になりやすい。
- 2本の水平線から構成される水平方向の値幅にリワードの設定を統一する。
トレード上級者ほどリワードは一定である
トレード経験が豊富な上級者ほど、リワードを一定に保つ傾向があります。これは、過去検証の結果に基づいて、リスクリワードの設定に一貫性を持たせているからであり、利益を継続して得るために必要です。
FXの場合は銘柄ごとに上位足の値幅が決まっているため、得られる利益にも限界があります。
無理に大きなリワードを狙おうとするとトレードの勝率が低下し、ギャンブル的な性質が増えてしまうため、トレード初級者の方は特に注意が必要です。
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リスクは時間とともに変化する
リスクと時間の関係について
トレードにおいて、リスクは常に一定ではなく、時間の経過とともに変化します。特にデイトレードを行う場合は、エントリーのタイミングが早くても、遅くてもリスクが増大するのです。
一般的には「逆張り」や「順張り」という方法がエントリーの時によく使われますが、どちらもリスクが増加しやすく危険です。
逆張り・順張りとは?
逆張りは相場の流れに逆らって売買することであり、順張りは相場の流れに従って売買することを表しています。
- 価格が反発する前にエントリーしているため、損切りポイントをエントリーポイントから離して設置するしかなく、リスクが非常に大きい。
- そもそもエントリーが逆張りであるため、価格が反発しなかった場合は大損する。
逆張りの場合、エントリーの時間が早すぎることが原因で、リスクの大きな取引になってしまうのです。
- 価格が反発した後にエントリーしているため、損切りポイントから離れたところでエントリーするしかなく、リワードに対してリスクが大きい。
- そもそもエントリーが順張りであるため、利幅を取り損ねており小さなリワードしか得ることができない。
順張りの場合、エントリーの時間が遅すぎることが原因で、小さなリワードに対して大きなリスクの取引になってしまいます。
逆張りと順張りのどちらもリスクリワードが非常に悪く、実際のデイトレードでは、ほとんど使えない。
トレード上級者ほどリスクをコントロールしている
トレード初級者の方はエントリーする際に、リワードの設定で悩む人が多いように思います。
それに対して、トレード上級者の方はエントリーする際に、リスクの設定に注目しています。どのくらいの時間でエントリーすれば、リスクを最小限に抑えられるかを重視して、取引を行っているのです。
値が止まった状態から、値が動く直前にエントリーできれば、リスクを最小限に抑えることができる訳ですから、高度な分析手法に加えて、タイミングを計る技術が必要です。
リスクリワードの良いエントリーポイントとは、リスクを最小限に抑えることができるポイントのことである。
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どうすれば理想を実現できるのか?
価格と時間が交差するポイントでエントリーする
エントリーの時間が早くても遅くてもリスクが増加するということは、ちょうどよいタイミングを見つけないといけません。これは逆張りと順張りの中間に位置するようなエントリーポイントになることが多いと言えます。
なぜ中間なのかというと、水平線を見ながら逆張りしてくるトレーダーと、斜めの線(トレンドライン)を見ながら順張りしてくるトレーダーの行動が重なるポイントだからです。
つまり、水平線と斜めの線が交差する(重なる)ポイントでエントリーするとリスクを最小限に抑えつつリワードを最大化できるのです。
チャートパターンが完成する前にエントリーする
エントリーのタイミングを計る際に「ダブルボトムを確認してからエントリー」のように、チャートパターンはよく使われています。実際にトレンドが転換する際には、ダブルボトムや三尊などのチャートパターンが形成されることが多いのです。
しかし、チャートパターンが完成した後ではエントリーが遅すぎることがほとんどであり、完成前にエントリーする必要があります。具体例を1つ挙げると、ダブルボトムの完成を見込んで、2回目のボトムを確認した段階でエントリーする方法があります。
複数の方法を組み合わせてトリガールールを作ると、リスクリワードの良いポイントでエントリーできるでしょう。
水平線とトレンドラインが交差したポイントの上で、ダブルボトムの完成を見込んで、2回目のボトムを確認したらエントリーする。
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TradingViewを使用したリスクリワードの設定について解説
TradingViewは、初級から上級まで多くのトレーダーに使用されているチャートツールであり、リスクリワード比を視覚的に設定できる機能があります。この機能をリプレイモードで使用し、適切にリスクリワードを設定できるか練習してみると良いです。
まず、チャートで上昇トレンドを確認したら、リプレイモードを起動し波動が高値をつけたポイントまで過去にさかのぼります。
今回はフィボナッチエクスパンションを水平線の代用として使用するので、チャート上で値幅がきれいに当てはまる波動を探して、そこに設置します。
エリオット波動のインパルスが確認できるので、1波の始点と終点、2波の終点に平行チャネルを合わせて、センターラインが機能していることを確認します。
上昇トレンドの継続中に、一旦下落している局面ですから、サポートラインでの反発を見込んでロングする戦略が適切だと考えます。
リプレイモードの時間を進めて、価格が下落しサポートラインに到達したら、2回目のボトムを確認して、サポートラインとレジスタンスラインの間にリワードを設置します。さらに、一段下の別のサポートラインにリスクを設置すればリスクリワードの設定は完了です。
そこから時間を進めて、反発した価格がレジスタンスラインに到達した後に反落すれば、その設定は適切だったと確認できます。
以上がFXのデイトレードにおけるリスクリワードの設定についての解説です。様々な相場で検証を繰り返すことによって、適切にリスクリワードを設定できるようになります。ぜひTradingViewを活用して、効率的でバランスの取れたトレードを目指してください。
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